投資において、多くの人が損切りを苦手としている。損切りができない原因は人間特有の“思い込み”が原因だという。“思い込み”による投資で損する行動は、実は他にもたくさんある。本記事では投資のタイミング別に損する行動を徹底分析。その行動の裏にある心理と防止策を行動経済学&心理学のプロに聞いた。(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2026年6月号の「社会人3年目ZAiのザイゼンがチャレンジ! 目指せ! お金名人 Vol.21」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。 

インターネットの発達で思い込みが加速する!?
陥りやすい投資の「思い込み」に注意!

投資で損をしたくない!
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ザイゼンは「お金名人」を目指す!
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ザイゼン

社会人3年目。特技は囲碁。幼少期はプロ棋士を目指していた。囲碁の名人の夢は諦めたが、次は「お金名人」を目指すことに。


長谷川愛先生

今回教わるのは
長谷川愛 先生

資産運用会社インベスコ/インベスコ・コンサルティング部長。行動経済学の知見を用いて銀行や証券会社の営業担当者向けに指導を行う。

ザイゼン 投資には損する行動パターンがあるって本当ですか?

長谷川 たいていは「思い込み」が原因ですね。この思い込みを「バイアス」ともいいます。代表的な5つの思い込みを紹介しましょう。

ザイゼン 早速、教えてください!

長谷川 まずは投資を始める時。毎月1万円を積立てようと思いながら、つい飲み会や趣味で浪費。積立の開始を先送りにする人がけっこういます。早いうちから積立を始めれば将来大きな利益を得られる可能性があるのに、人間は未来よりも目の前の利益を優先してしまうんです。

ザイゼン 友人にもいます……。

目の前の利益を過大評価


[どんな心理?]
 将来の大きな利益よりも目先の小さな利益を優先してしまう。ダイエット中なのに目の前のデザートを食べてしまうのもこの心理。

[投資では…]
 飲み会や遊びなど目の前の楽しみにお金を使い、月3万円の積立投資が後回しに。長期投資で大切な「時間」を逃すことに。

長谷川 他に「みんなと同じものを選べば安心」という思い込みもありますね。買付ランキング上位の商品を安易に選んでしまう行為です。

ザイゼン ランキング上位ならよい商品ではないですか?

長谷川 もちろん、その場合もあります。ただ、買いが集まった結果、すでに割高になった銘柄が紛れ込んでいることも。加えて、人気商品が自分にも適しているとは限りません。

ザイゼン 人気につられずに、買い時や商品内容の検証が必要ですね。

みんなと同じ選択で安心
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[どんな心理?]
「多くの人が選んでいる」という理由だけで自分も同じ選択をしてしまう。自分に適した商品を選べていない可能性がある。

[投資では…]
証券会社の買付ランキングを参考に、詳細を確認せずに人気の銘柄や投信を購入する。高値づかみの可能性があり、類似の投信ばかりが増える。

長谷川 次に、商品を調べる時。自分が「正しい」と思う意見だけを集めてしまう傾向があります。

ザイゼン どういうことですか。

長谷川 例えば「アクティブ型投信は手数料が高いから悪」という否定の意見を一度信じると、そうした主張の記事だけが目に入り、肯定派の意見は無意識に無視するようになります。最近はインターネットのアルゴリズムが発達し、自分の関心に近い情報ばかりが出てきがち。こうした傾向はさらに強まっています。

都合のよい情報だけを集める

[どんな心理?]
自分が正しいと思う考えと同意見の情報ばかりを集め、反対意見の情報は無意識のうちに無視してしまう。自分の考えが凝り固まる。

[投資では…]
買った銘柄を推奨する意見や好材料の報道だけが目に入り業績悪化の報道は軽視する。株価が上がると信じ込み、損が大きくなるケースも。