「まさか自分に寿命があるなんて思っていなかった」――。2つのがんが見つかり、そう語るのは“優待名人”として親しまれる、株主優待投資家の桐谷広人さん。テレビ出演をきっかけに「意地でも現金を使わない生活」を徹底してきた桐谷さんですが、命と向き合ったことで、これまでの「お金と人生の向き合い方」に大きな心境の変化があったといいます。億を超える資産を持ちながらも気づかされた“人生の限り”など、胸の内を語っていただきました。 (熊谷久美子、ダイヤモンドZAi編集部)
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60cmの腸を切除、それでも退院は自転車で…桐谷広人さんが笑って語る「がん闘病」と株主優待フル活用の入院生活!(「ダイヤモンド・オンライン」へ)
優待名人としての「意地」で現金を使わなかった日々…
大病で気づいた「人生の限り」
──10月に77歳になり喜寿を迎えられます。大きな病気をされてご自身の金銭感覚に変化はありましたか?
2013年にバラエティ番組『月曜から夜ふかし』に初めて出ましてね。そこで「株主優待で生活してる」と言ったら、世間から「優待だけで生活できるわけない、嘘だ」ってたくさん言われたんです。それで意地になっちゃって。意地でも株主優待だけで暮らしてやろうと、それ以降は、全然現金を使わない生活をしてたんです。
プロ棋士を辞めた直後、リーマンショックなども重なって、私には、本当にお金がない時期がありましてね。配当金だけでは家賃が払えなくて、優待でもらったクオカードを金券ショップで売って家賃の足しにしていたこともありました。その時は本当に優待と配当だけで生活していたんです。
ただ、テレビで“株主優待で暮らしている人”として有名になってからは、本当にお金を使わない生活を見せなきゃ、とう思いが強かったです。大好きな『かに道楽』も、優待がないから自腹では一度も行きませんでした。「現金を使ってくれ」と言われたテレビのロケの時だけは仕事だから現金を使いましたけど、それ以外は徹底して現金を使いませんでした。
でも、こうして、がんになってみると、「意地を張らずに、もっと現金を使ってご馳走を食べたり、温泉にでも行ったりすればよかったな」って少し後悔しています。これまでは、地方に講演にいっても、あまり観光せずにすぐに帰ってきていましたので。
元気だったし、自転車でビュンビュン飛ばして走っていましたから、自分に寿命があるなんて思っていなかったんです。ずっとこのまま元気で暮らせると思っていた……。今回の病気で、人生には限りがあるんだなって分かったから、それはそれで勉強かなと思っています。
──仕事感にも変化はありましたか?
これまでは、強く頼まれると、嫌だな、と思う仕事も受けてしまっていました。しかし、今後は嫌な仕事は受けないようにしたいですね。そういう意味で、仕事観は少し変わったように思います。
これからはあんまり我慢しないで、仕事も選んで、お金もちょっとは使って楽しもうかな、と思っています。
「貧乏こそ幸せ」と言った父の教え
今後のお金の使い方と株主優待生活のこれから
──今後は、現金を使って少しは贅沢する予定ですか?