「オルカンとS&P500を両方持てば安心」「人気投信なら大きな失敗はない 」――初心者が信じがちな「正解」には、思わぬ落とし穴がある。分散したつもりが偏っていたり、好成績の裏に意外な理由が隠れていたりすることも。投信の選び方を誤ると想定外のリスクを抱えてしまう。相場急落時に慌てないために、新NISA時代の投資の基本を確認しよう!(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2025年7月号の「初心者がはまる9つのワナを解説!もう暴落に振り回されない!投資信託入門」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

オルカンとS&P500、両方持てば安心?
「勘違い分散」に気をつけて

 資産形成の基本は、「長期・積立・分散」。投資先を分散することで、損失拡大のリスクを抑えられる。
 
 そもそも投信は、複数の投資先に投資しているため、1本保有するだけで分散効果がある。さらに、2本、3本と本数を増やせば、分散効果がより高まると考えるかもしれない。
 
 しかし、組み合わせ方に注意が必要だ。例えば、人気の高いオルカン(全世界株型)の中身を見ると、約6割が米国株。その一方で、新興国株は1割程度にとどまる。そこに米国株100%の投信を組み合わせると、オルカンだけに投資するよりも、米国株の比率が高まってしまう。

オルカンとS&P500型投信を組み合わせた場合の国別構成比率の図。組み合わせ後は米国が8割を占めている。
オルカンと米S&P500型は新NISAでも人気の商品。この2本に投資した場合、全体における米国株の比率は80%を超える。反対に新興国株の比率は、オルカンの約11%から約5%にまで減る。
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 投信を複数持つことで、分散したつもりになっていたら要注意。重要なのは組み合わせ方だ。それぞれの中身が被っていないか確認して、「勘違い分散」に気を付けよう。

オルカンの好成績はこの先も続く?
初心者が見落としがちな投信のワナ

 世界中の企業に投資するオルカンこと「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の2024年の資金流入額は、2.4兆円と前年の3倍以上。そして、年間成績は32%上昇と絶好調だった。

 しかし、このままのペースで上昇が続くと考えるのは早計だ。最近3~4年の好成績は、世界企業の業績成長だけが理由ではないからだ。