投信を選ぶときは、基準価額の見た目の安さや分配金の多さだけで判断しないことが肝心だ。基準価額は割安に見えても、設定時期や分配金の有無で数字は変わる。運用に必要なコストは長期保有ほど成績を左右し、分配金も預貯金の利子とは仕組みが異なる。退職金で購入する前にも、必ず確認したい基本を分かりやすく総整理する。(ダイヤモンドZAi編集部)

 「ダイヤモンド・ザイ」2025年7月号の「初心者がはまる9つのワナを解説!もう暴落に振り回されない!投資信託入門」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

基準価額が低いほど割安?
1万円割れの投信を買うべき?

 投資信託の基準価額は、設定時に1万円からスタートすることが多い。通常1万口当たりで表示される。投資先の株価などに応じて変動するが、基準価額が決定するのは原則として1日1回。信託報酬などの運用コストも差引かれた値だ。
 
 同じタイプの投信でも設定日が違うと、基準価額では比較できない。例えば、日経平均が2万円の時に設定された投信と、3万円の時に設定された投信とでは異なるためだ。基準価額だけでは、その投信が割安なのか割高なのかは判断できない。
 
 また、その投信が分配金を出すかどうかでも基準価額は変わる。分配金が支払われると、その分、基準価額も下落する。

指数に連動する投信の基準価額の動きを示した図。図のA時点で運用がスタートする無分配型の投信の場合、基準価額は指数とほぼ同じ動きをする。
分配金を出さない投信の基準価額は、連動を目指す指数とほぼ同じ値動きをする。図の投信の場合、A時点で設定後に大きく上昇。その後、2回ほど1万円を割っているが、相場の回復とともに設定時の価格を上回っている。
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指数に連動する投信の基準価額の動きを示した図。図のA時点で運用がスタートし、途中で分配を出す投信の場合、基準価額は分配金の分だけ下がっている。
設定日は上図と同じだが、途中で1000円の分配金を出したので、分配金の分だけ基準価額が下がっている点に注目してほしい。ただし、実際の利益は、受け取った分配金と基準価額の値上がり益(値下がり損)を合計した金額となる。
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指数に連動する投信の基準価額の動きを示した図。図のB時点で運用がスタートする無分配型の投信の場合、下落局面で設定されているため、その後基準価額は下落し1万円割れしている。
上2つと同じ指数に連動するが、基準価額が上昇した時点(B時点)で設定されたため、基準価額は1万円を下回る。値動きは同じでも、設定時期によって基準価額が異なることが分かる。
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 同じ日に設定され、どちらも分配金を出さない日本株型の投信であれば、一般的に基準価額が高いほうが運用能力は優れているといえる。