投資信託を選ぶ際に、必ず確認したいコストの一つが信託報酬だ。運用資産から毎日差し引かれるため、運用期間が長くなるほど成績への影響は大きくなる。信託報酬の差で運用成果にどれほど違いが生じるのか、低コスト投信を選ぶ際の注意点とあわせて確認する。運用後に明らかになる「隠れコスト」についても押さえておこう!(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2024年1月号の「新NISAスタート直前のいま知っておきたい!みんなが気になる!投資信託のギモン27」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

30年後には利益に93万円の差も!
長期運用ほどコストの影響大

 信託報酬とは運用会社、販売会社、投信の資産を管理する信託銀行の3者に支払う手数料のこと。

 信託報酬は毎日、運用資産から引かれ、購入時にかかる「販売手数料」、解約時にかかる「信託財産留保額」のように1回限りのコストではないため、運用期間が長いほど影響が大きくなる。
 
 信託報酬の差で、成績にどれほどの違いが出るのか。次のシミュレーションで確認してみよう。下の図は信託報酬の違いで利益に差が出ることを示した図だ。信託報酬が0.5%の投信と、1.5%の投信の2本があり、どちらも年5%の利回りで運用できたとする。

どちらも年5%の利回りで運用できた場合の資産額の図。100万円で運用をスタートし、経過年数ごとに信託報酬が0.5%と1.5%の投信で比較。信託報酬が1%と違うと、30年で93万円の差が生じる。

 この2本にいずれも100万円を投資し、複利で運用した場合、1年目で1万円、5年目で6万円だった利益の差が、10年目では14万円、20年目では42万円まで広がり、30年目には93万円にまで拡大する。

信託報酬が1%違うと資産の増加ペースが異なることを示したグラフ。信託報酬が0.5%と1.0%の比較だが、両者の差は30年めには大きく開いている。

 注意したいのは、運用利回りは約束されていない一方、信託報酬は初めから決まっている点だ。

 一時的に運用成績がいい投信に飛びついてしまうと、成績が振るわなくなった時に信託報酬の負担が重くのしかかってくる。

 特にインデックス型投信は、投信によって運用内容が大きく変わらないため、同じ指数への連動を目指す投信なら、基本的に信託報酬が低い方を選ぼう。