投資信託は買うより売るほうが難しい。いつか使うお金だからこそ、売り時を考えることも資産運用の大切なプロセスだ。この記事では、利益確定や損切りのタイミング、売却の仕組み、定年後の取崩し方まで、迷いがちな売却のポイントを専門家の助言で整理する。教育資金や老後資金が必要になるときに備え、納得して手放すための考え方を身につけよう!(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2024年1月号の「新NISAスタート直前のいま知っておきたい!みんなが気になる!投資信託のギモン27」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

売るタイミングに正解なし!
「2割上昇、半年で半値」が目安

 ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんは、売り時に「唯一の正解はない」と話す。

 教育資金や住宅資金などが必要になった時は、売却を検討する場面ではあるものの、その時の相場が有利な状況とは限らない。

 そのため深野さんは「1年くらい前から複数回に分けて売る」と提案。直前にやむを得ず安い価格でまとめて売るのだけは避けたいところだ。
 
 楽天証券資産づくり研究所副所長の篠田尚子さんは、「投信積立の場合は基本的に売却は考えず、複利効果を最大化するのが得策」とした上で、単発買いの場合は2割ほど上昇したら利益確定していいという。

「2割は過去のデータからして絶妙な水準」で、リバランスする要領で値上がりした分だけ売るのもアリだ。欲をかかず、冷静に判断できるかがポイントになる。
 
 一方で損益がマイナスの場合は、「期間」も判断の基準に加わる。

売り方のタイミングについて、武士と巻物が描かれたイラスト。巻物には掟が2つ。掟1は2割上昇したら売るべし、掟2は半年で半減したら売るべしと書かれている。

「例えば半年以内に半値まで下がるケースは、その後も戻りづらい。これは特定の業種やテーマに偏っている投信に多く、戻るのに数年かかる可能性が」と言い、損切りを勧める。