移動平均線の向きと株価の位置で売買を判断する。意外と難しい「売りタイミング」。移動平均線が下向きであり、株価が線の下にあるなら、下落トレンドである証拠だ。売りポイントを意識する必要がある。チェック表や目標株価設定だけでなく、グランビルの法則も活用。業績や過去の値動きを総合して、売却か保有かを決めるべきだ。(ダイヤモンドZAi編集部)
2025年8月号の「一番売れてる月刊マネー誌ダイヤモンド・ザイのチャート入門」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。
下向きの移動平均線の下に株価が位置していたら(売)ポイント
移動平均線1本1本の売買サインを確認しよう!
株の売り時は業績など、さまざまな側面から探ることができる。チャートで考える売りタイミングはチャートの形が崩れた時と、目標株価に到達した時の2つだ。
・チャートの形が崩れた時
「上昇トレンドの形が崩れたら売る」という考え方。利益確定はもちろん、損切りにも役立つ。同時に複数の売りの形が出た時ほど、注意が必要だ。
・目標株価に到達した時
株を買う時点で「いくらで利益確定するか」を決めておく考え方。基本的には、(1)過去の高値、を目標株価に設定する。ただし上昇の勢いがある銘柄などは、(2)上昇の値幅、または(3)上昇の倍率、から目標を設定するほうが適していることも。
最初に押さえたいポイントは、移動平均線の向きと株価の位置である。移動平均線が上向きで、株価が線の上にあるなら上昇トレンド。移動平均線が下向きで、線の下に株価があるなら下落トレンドとなる。つまり、移動平均線が下落トレンド入りを示したところが、(売)ポイントだ。
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(売)ポイントを見極める際は、チェック表を作ってみよう。上図の要領で、移動平均線の向きと株価の位置を○×△で表し、情報を整理する。13週線と26週線が表示されている週足チャートの場合、それぞれの移動平均線が上向きなら○、下向きなら×、横向きなら△。それぞれの移動平均線より株価が上にあれば○、下なら×、重なっていたら△、と書出していこう。
判断の目安は4つ全部○なら「買い」、×なら「売り」となる。ここで、「×が1〜3個なら、売らなくていいのか」という疑問が出てくるだろう。その点については、過去の値動きや業績などを含めて、総合的に“上昇余地”を考える必要がある。
例えば、業績が好調で、緩やかな上昇トレンドを描いている場合、(売)サインが少し出ても売らずに、より高値を目指してもよい。一方、移動平均線以外にも(売)サインが出ているケースは、×が4つ揃っていなくても要警戒だ。
判断に迷う時は業績なども含めて、上昇余地を考える!
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上のNTTの週足チャートで、2本の移動平均線の向きと株価の位置を書出してみよう。まず、(a)では2本の移動平均線が上向きになり、株価もその上に位置しているため、4つすべての(買)サインが点灯する。
しかし(b)では、13週線が下向きに。株価も13週線を下回り、(売)サインが半分点灯。ここで売るべきか悩むかもしれないが、26週線はまだ上向きなので、長期的には上昇トレンドを維持しているとしよう。
また、2024年3月期は増益の見通しだった。これらを考慮して、売らずに「キープ」と判断してもいい。振返ってみると、(c)で再び(買)サインがすべて点灯しており、(b)は上昇トレンドの押し目だったとわかる。
トレンドが変わり始めたのは2024年4月頃だ。13週線が下向きになり、株価が2本の移動平均線を割込んだ。(d)では26週線も下を向き始めたため、4つすべての(売)サインが点灯。ここが(売)ポイントとなった。