新NISAで投資を始める多くの人がオルカンやS&P500型など世界株の指数に連動する投資信託に集中しているが、プロ棋士で有名投資家の桐谷広人さんは「日本株を組み合わせることで成績の底上げができる」と語る。投資は「狩り」ではなく「農業」。配当や優待を受け取りながら長期で育てる姿勢こそ、非課税メリットを持つNISAとも相性がいい。桐谷さんに、NISAを最大限に活かすポイントを聞いた。(ダイヤモンドZAi編集部)
オルカンは円高時に弱いので注意!
日本株に分散投資すれば成績の底上げが可能に
新NISAで投資を始める人の多くが、オルカンやS&P500など米国株中心の投資信託で投資しています。もちろんそれでOKなのですが、米国株だけでは少し不安な点があります。
それは、今が1ドル=160円に迫る「円安」の状況だということ。つまり、将来円高(ドル安)になった際、為替による損失で利益が目減りするリスクがあります。
その点、日本株なら為替リスクはありません。だから、日本株にも分散しておくことをおススメします。安い時に買って、その後はほうっておく! 農業的な投資でも資産は十分に増やせますよ。
歴史を振り返ると、日本株は驚くべき成長を遂げてきました。明治大学の研究によると、日本株は明治11年から144年間で配当込みで584万倍に上昇したそうです。それだけ日本株にも上昇の可能性があるということです。ただし、中には倒産した企業もありました。
だからこそ、個別株に集中するのではなく「分散投資」が重要です。日本株への分散投資を加えることで、長期的に成績を底上げできると思います。
NISAは値上がり益や配当金が非課税に!
高配当と株主優待で総合利回り4%以上を目指そう
NISAは値上がり益や配当金が非課税になる便利な制度です。ぜひ利用したほうがいいでしょう。
私が銘柄を選ぶ時は「高配当」と「株主優待」を重視し、この2つを合わせた総合利回りが4%以上という点を条件にしています。利回りが高いということは株価が安いということだからです。
初心者は、プライム市場の一流企業が一時的な業績悪化などで株価が下がった時を狙うのがおススメです。大企業ならめったに倒産しませんし、力のある企業はやがて回復する可能性が高い。配当や優待を受け取りながら株価の回復を待てるからです。
銘柄探しが難しい場合は、「日経連続増配株指数」や「日経平均高配当株50指数」などを参考にするのも手です。高配当株指数は約7年で3倍の成績になりました。これらの指数採用銘柄から、優待があって、応援したい企業を選ぶとよいでしょう。
投資は狩りではなく農業!
長期的に投資する気軽なマインドで
株式投資というと、一日中パソコンの画面に張り付いて売買を繰り返すイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、私の投資スタイルは安値で買ったら基本的には持ちっぱなし。私は投資を「狩り」ではなく「農業」だと考えています。
短期の値上がり益を狙う「狩り」のような投資は、日々の株価に一喜一憂しがちで、本業が手につかなくなる。でも、配当金や株主優待を目的とする「農業」のような投資は、種をまいて収穫を待つように、心に余裕を持って長期で取り組めます。「値上がりしなくても優待が届けばいい」という気軽なマインドでいれば、本業にも集中できます。
今はスマホひとつで少額から投資できる恵まれた環境が整っています。ぜひNISA制度を活用し、農業のようにじっくりと資産を育ててみてください!