高配当株はいまや配当だけでなく値上がり益も狙える攻めの投資先だ。増配が株価上昇を呼び、市場改革も追い風となる好循環が続く。一方で最大のリスクは減配だ。そのため配当余力10年以上・ROE8%以上・時価総額300億円以上の3条件を満たす企業の選定が不可欠。長期で安心して保有できる盤石高配当株こそ、安定した資産形成の要となる。(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2026年6月号の「NISA新戦略 買いの日本株&投信69」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

配当余力が10年以上の銘柄から選ぶ!
配当利回りも株価上昇力もスゴイ!

高配当株に資金が集まっている!
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 人気株と並んでNISAで注目したいのが高配当株だ。配当利回りが高い銘柄で構成される「日経平均高配当株50指数」と日経平均の成績を比べてみよう。2019年末を基準として、2026年3月時点の日経平均は約2・5倍に。これに対し高配当株50指数は約3・6倍だ。高配当株は守りというイメージは今や過去のもの。高配当に加え値上がりも狙える“攻めの株”へと変貌したのだ。

教えてくれたのはフィスコの白幡玲美さん

 背景にあるのは、東証による市場改革だ。PBR1倍割れへの是正要請をきっかけに増配を打ち出す企業が急増し、「増配→株価上昇→再評価」というサイクルが定着しつつある。また、「NISAの普及で個人投資家が増えるほど、企業は値動きの安定のため、配当を維持・拡大していく」(白幡さん)という。

 ただし最大のリスクは減配だ。白幡さんは「配当利回りの高さだけで飛びつくのは危険。高配当をどれだけ長く、安定して払い続けられるかを見極めることが大切です」と言う。そこで今回は減配リスクを小さくするため3つの条件を設けた。

(1)【財務面】利益剰余金で計算した配当可能年数が10年以上

 利益剰余金から算出した配当可能年数が10年以上なら、業績が一時的に悪化しても配当を維持できる財政基盤が整っている。減配リスクは小さい。

(2)【収益力】ROEが8%以上

 ROEが8%以上の企業は稼ぐ力があり、増配を継続できる余力がある。長期にわたって高配当を期待できるだけでなく、株価上昇も見込みやすい。

これなら安心!
イラスト=JERRY

(3)【企業規模】時価総額300億円以上

 時価総額300億円以上の企業は、ある程度事業基盤が安定しており、配当を維持・拡大しやすい傾向がある。時価総額が大きいほうが安心して持てる。

 この条件を満たす銘柄こそ長期で持てる盤石高配当株だ。

連続増配&高成長を続ける高配当株が揃う!
注目4銘柄をピックアップ!

住宅販売好調で上方修正を発表
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 前述の3つの条件をクリアした高配当株の中でも注目度が高いのが野村不動産ホールディングスだ。分譲住宅の販売好調や収益不動産売却の進展で、通期の売上高と利益、配当額を上方修正。2026年3月期は14期連続増配となる見通しだ。

 総還元性向40〜50%の方針のもと、年間配当は前期比6円増の40円を予想。年率8%水準の事業利益成長が見込まれる。値上がりと高配当を狙うなら外せない銘柄だ。

独自の不動産事業を展開
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 地主も2024年12月期以降は大幅増配を続けている。底地投資を軸とした不動産金融事業で長期安定収益を目指す独自モデルが特徴だ。今期も2ケタ増収・増益の見通しで、新中期経営計画では2028年12月期に当期利益100億円以上、運用資産規模5000億円以上を目指すと発表。利益成長に連動した累進配当を掲げており、今後の大幅増配にも期待できる。

株価上昇と高配当が目標!
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 ユニークな事業構造が強みの巴工業は、遠心分離機などの機械製造と化学品の専門商社機能を併せ持つ。前中期経営計画を前倒しで達成し、今期も増収・増益の見通し。DOE*1 5%下限・配当性向50%以上の安定還元方針に加え、新中期経営計画では「株価3割高と高配当利回り」の目標を掲げる。

総還元性向が70%以上!
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 総還元性向*2 70%以上のプレステージ・インターナショナルにも注目。ロードアシストや保険関連など生活支援型サービスの代行業務を展開しており、全国の地方拠点で展開する独立系企業だ。2026年3月期も5期連続で増収・営業増益となる見通し。売上高の年平均10%成長を掲げており、安定配当と高い成長性を兼ね備えた注目銘柄だ。

*1 株主資本配当率。企業が株主資本に対して、どの程度配当を支払うか示す指標。利益に連動しないため、数値目標を定めていれば、安定的な配当が期待できる。
*2 当期利益に対して、配当金と自社株買いの合計額が占める割合。