暴落の局面で、投信の積立をやめた方も少なくはないだろう。だが暴落時にこそ、積立を継続するだけで購入単価を下げられる。長期の資産形成が有利になるはずだ。目先の変動に一喜一憂せず、分散投資を徹底しよう。その際、高配当株型の投信や金を組み合わせると、下落にも強いポートフォリオを組めるようになる。
(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2026年6月号の「NISA新戦略 買いの日本株&投信69」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

投信は“定額積立”が基本! 
相場が下がってもやめずに続ける!

 暴落局面でせっかく続けていた投信の積立をやめてしまった人もいるのでは? でも今後は「投信の積立はやめずに続ける」ことを戦略の一つにしよう。定額積立のしくみを理解すると、その理由がよくわかる。

 定額の積立投資は、毎日や毎月など、定期的に同じ金額ずつ買う方法だ。投資は「安い時に買って高い時に売る」ことで利益が出るが、将来の値動きを予想するのは難しい。だが、定期的な定額積立なら、価格が高い時だけでなく、安い時にも自動的に買い付けることになる。これにより、購入単価がならされ、高値掴みのリスクを抑えることができるのだ。そして何よりも、「安くなった時にたくさん買える」のが最大の強みだ。

 少し詳しく説明すると、投信の取引単位は「口数」で表される。基準価額は「1万口あたりの時価」のことで、購入できる口数は「購入額÷(基準価額÷1万口)」で計算される。例えば、基準価額が1万円の時に1万円分買った場合は、保有口数が1万口になる。もし、基準価額が下がれば定額の投資で多くの口数が買え、逆に上がれば買える口数が減るということになる。つまり、暴落時は多くの口数を買うことができるということ。その後に価格が上昇に転じれば、増えた口数が資産増加の強力なドライブになるわけだ。

投信の積立を続けるべき理由!
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 もちろん、この定額積立は、価格が下がり続ける相場では効果を発揮しない。だが、世界の株式市場を見ると、一時的な下落局面がありながらも、長期的には右肩上がりで成長を続けている。「株価の下落はチャンス」と捉え、投信の定額積立はやめずにできるだけ長く続けていこう。

投資先ごとの成績を冷静にチェックする!
今の投資先の成績に一喜一憂しないでOK

 自分の投資先の成績が思ったよりも不調で「投資先を変えたほうがいいのかな…」と考えた経験はないだろうか。そこで下図を見てほしい。

好成績の投資先は毎年変わる!
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 これは、投資対象別に過去10年の騰落率を示したランキングだ。1位の投資先を見ると、1〜2年ごとに目まぐるしく入れ替わっているのがわかる。例えば、2017年は新興国株が好調で、30%超の上昇で1位になっていた。ところが2016年、2017年と続いた好調の反動で2018年は最下位に転落している。

 2021年に1位だった海外リートは翌2022年は最下位。2022年に1位の国内リートは翌2023年に最下位。新NISAがスタートした2024年は海外株が1位となった。当時、米国株の上昇に伴って全世界株指数や米国株指数のS&P500に投資する投信が人気を集めていた。だが2025年に海外株は4位にダウン。新興国株が1位となり、2024年に最下位だった国内リートが一気に2位まで急浮上している。

 この図からわかることは、主に二つ。一つは、投資先の好調が何年にもわたってずっと続くことはほとんどないということ。そのため、自分の投資先の成績が足元で不調でも、永遠に続くと思わなくていい。その後、上昇局面が来れば、むしろ「安い時期に買えた」ことになるのだ。

1年前と1年後
イラスト=JERRY

 もう一つは、分散投資をすることで、安定した成果を得られるということ。上図の「均等投資」は、各投資対象に均等投資した場合の成績順位を表している。10年間で1位になることもないが、最下位になることもなく、安定して4〜6位のポジションをキープしているのがわかる。

 自分が持っている投資先が一時的に大きく下落しても、また上昇する局面が来ると考え、長い目で見て冷静に投資しよう。もし、相場の波で一喜一憂したくないのであれば、分散投資で安定したリターンを狙う戦略に切り替えるのも一つの手だ。