インフレと金利上昇の時代は、投資先を選ぶ基準も変わる。カギとなるのは、「無借金・値上げ力・高ROIC」など、利上げに強い企業を見極めること。専門家がその条件を解説し、厳選10銘柄を紹介する。さらに、高配当株や新興国投資の注意点、外貨・金・原油・コモディティETFの活用法まで、資産を守りながら増やす投資術を押さえよう!(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2026年5月号の「インフレ&金利のある世界の新常識と処方箋101」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

専門家が指南!
金利がある世界の投資術

 金利上昇は企業の資金調達コストを押し上げ、株価にも影響を及ぼす。では、インフレと利上げに強い企業はどう見極めればいいのか。

 株式アナリストの清水洋介さんは「利上げに強い銘柄」を選ぶポイントについて、以下の3つを指摘する。

ポイント1|不動産を多く持つ会社は買うな

 かつてのインフレ時代は「あの工場の土地を売れば〇億円だ」といった思惑を材料に、不動産を多く持つ会社の株がバブル化した。

「しかし、今は保有する資産から実際に利益を生み出さない限り、株式市場は評価しません」と清水さんは警告する。むしろ「資産効率が悪い」と会社に対する評価が下がるリスクもある。

 さらに、本業の利益成長が物価上昇のスピードに追いつかない場合、管理費用など維持コストが業績の重しになる恐れも。

ポイント2|狙いは無借金で値上げできる会社

「金利のある&インフレ時代」に強い会社を探るポイントは2点。

 1点目は借金に依存しない財務を誇るかどうか。借金が少ないと利払い負担も少ない上に、借金が多い会社よりも資金調達コストで有利となり、競争で優位になる。

 2点目は製品などの値上げができるかどうかだ。インフレではコスト上昇分を価格転嫁しても顧客が離れない「ブランド力」や「代替不可能な技術」を持つ会社は利益を拡大できる。値上げができない会社との差はさらに広がっていく。

ポイント3|ROICが高い会社を狙え

 ROICとは、借入などの有利子負債と自己資本を合わせた「投下資本」で、どれだけ効率的に利益を上げられたのかを測る指標。

「金利の上昇で資金調達コストが上がっても、それを上回る利益を出せるようなROICが高い会社は成長を継続できます」(清水さん)

 金利が上昇した世界では「利益が出ているか」ではなく、「資金調達コストを使ってどれだけ効率よく稼げているか」が問われる。利上げ局面で投資先を見定める際は、ROICを参考にするのも手だ。

 下の図は、清水さんが厳選した「金利上昇とインフレ時に買いの株10選」。株式投資の参考にしてほしい。

※データは2026年3月4日時点。

株式アナリスト清水洋介氏が厳選した「金利上昇とインフレ時に買いの株10選」の一覧表。推奨銘柄として、ふくおかフィナンシャルグループ、東京海上ホールディングス、伊藤忠商事、富士通、大塚商会、キーエンス、ダイキン工業、味の素、KDDI、任天堂の順。
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