2026年のIPOは、初回から3社続けて公開価格割れとなる異例の幕開けに。上場規模の大型化や換金売り、AI代替懸念などが重しとなるなか、今後の初値形成やブックビルディングへの影響はどうなるのか。ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチアナリストの小林大純さんが、2月上場3銘柄を徹底診断する。(ダイヤモンドZAi編集部)
26年IPOの出だしは不調
異例の公開価格割れ続きに
1月は新規上場がなかったため、2月13日のTOブックスが2026年初のIPO。例年、最初のIPOではご祝儀的な買いが入りやすい。
しかし、今年は3社続けて公開価格割れスタートとなった。公募・売出規模はTOブックスが約41億円、イノバセルが約142億円、ギークリーが約70億円とやや大きめ。このため上場後の換金売りが出やすかったことが、初値不振の一因だろう。
ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチアナリスト小林大純さんは、 「東証グロース市場の上場維持基準が厳格化され、小型IPOは減少傾向です。今回の3社の公募・売出規模が、今後の主流となる可能性があります。この規模の株式需給懸念が払拭できないようなら、初値の値上がり期待が後退し、今後のブックビルディング(需要申告)にも影響を及ぼすかもしれません。動向に注意が必要です」と分析する。
市場ではAIによるIT系ビジネス代替の懸念がくすぶり、中東情勢も緊迫化。これらのIPOへの影響も注視したい。
今回は注目株はなしだが、TOブックスは「強気」判断に。好業績で割高感がない銘柄はやはり狙い目だ。
TOブックス
ライトノベルやコミックを展開。メディアミックス戦略でIP*1価値の向上を図る。人気作に『本好きの下剋上』『水属性の魔法使い』など。業績堅調で類似企業と比べPERに割安感。
*1 知的財産。作品のタイトルやキャラクターなど。
イノバセル
オーストリアの医科大学からスピンアウトした細胞治療ベンチャー。便失禁向けの治療製品で28〜29年ごろの申請を見込む。研究開発や販売提携の進捗に注目だが、当面は赤字先行か。
ギークリー
IT・ウェブ・ゲーム業界特化の人材紹介。取引企業数3500超*2。AI普及で高度人材を中心に需要が高まるとしているが、市場には様子見ムードも。4月発表の第3四半期決算に注目。
*2 2026年2月時点、同社ウェブサイトより。
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