AIブームが株式市場を押し上げ、投資家の期待が一気に膨らむ今。AI・半導体関連株の過熱により、株価変動がさらに大きくなった。その分、リスクも増している。指数の偏りから分散の効果も薄れつつあり、意識した戦略的な投資がより重要に。現状をどう読むべきか──欧州とインドの分野で活躍する二人のプロに話を聞いた。(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンドZAi」2026年9月号「米国 欧州 インドのプロがズバ斬り! どうなる!? 世界株の行方と投資家がすべきこと」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

株式への投資は必須!
ただし変動拡大が問題

欧州のプロのブルーノ・リッペンスさん
撮影=GION
ブルーノ・リッペンス(Bruno Lippens)さん
ピクテ・アセット・マネジメント 
スペシャリスト株式運用チーム・ヘッド 
スイス・ジュネーブを拠点として「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」などの運用を担当。運用経験は29年。IT・通信セクターのアナリスト経験も持つ。

──世界の経済と株式市場の現状を、どう見ていますか。

 主要国はいずれも大きな債務を抱えており、通貨の価値が下落を続けています。従って、インフレに対抗するために株式への投資は重要です。

 ただし、株価の変動幅が大きくなっていることに注意する必要があります。

──AI・半導体関連株の好調はしばらく続くという見方が多数です。

 AI関連で、誰が勝者になるかを見極めるのは非常に困難です。アンソロピックか、オープンAIか、スペースXか。中国のディープシークAIかもしれません。あるいはまだ表に出ていない企業かもしれません。

 現在の状況は、25年前のITバブルの時代と似ています。当時、グーグルやメタ(フェイスブック)、ネットフリックス、ソフトバンクグループの株価がこれほど上昇するとは、誰も想像できなかったと思います。

 そして半導体は、今に始まったことではありませんが、変動が激しい産業です。ブームになると需要が供給を上回り、業界全体が生産能力を増強します。ある時点で、生産量が需要を上回り、すべてが反転して株価も崩壊します。今回の上昇トレンドがどれくらい続くかはわかりませんが、同様のサイクルになるでしょう。