抗がん剤治療がついにスタートした“優待名人”こと桐谷広人さん。身体のだるさと闘いながらも、決まっている講演活動をこなし、スポーツも再開。そして、日々の暮らしには驚くべき「心境の変化」が訪れていました。長年自分に課していた「株主優待縛り」を解放し、ついに現金買い物も解禁! そのきっかけとなった優待券での食事や、妹さんとの温かいやり取り、最新の闘病生活について語っていただきました。(辻葉子、ダイヤモンドZAi編集部)
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「自分に寿命があるなんて思っていなかった」――桐谷さんが2つのがんを経て辿り着いた「お金と人生」への考えの変化
1回目の抗がん剤治療がスタート!
「ビールが激マズでびっくりしました」
──7月末からついに抗がん剤治療が始まりましたね。体調はいかがですか?
今年に入って前立腺がん、大腸がん(ステージ3)と立て続けに見つかり、まず大腸がんの手術を受けたのが6月下旬でした。
摘出した部位の悪性度が高かったため、再発や転移を防ぐために7月下旬から半年間・全8回の抗がん剤治療に入りました。2時間ほどの点滴治療を受けて、その後1日8錠の抗がん剤を2週間飲み続け、1週間休むというサイクルです。
1回目の服用が終わったところなんですけど、少し身体がだるくてね。1日に5、6回横になって、そのたびに1時間くらい寝ちゃうんですよ。それに、冷たいものに触ると手や口の中がピリピリ電気が走るような感覚があって。でも炭酸飲料なんかは冷たくないと美味しくないから、気にせず飲んでいます。かき氷なんかも口にしたり。でもしばらくは、お酒は飲んでいませんでした。
この前、久しぶりにビールでも飲もうかと思って飲んだら、これがすごくまずくてびっくりしましてね。美味しく感じられないんですよ。ずっと「飲みたい」と思わなかったのは、薬の影響だったんだなと実感しました。
──抗がん剤治療中は食欲が落ちることもあると聞きますが、お食事は摂れていますか?
抗がん剤治療を始める前に主治医から「すごく食欲が落ちるから、食べたいものがあったら何でも食べてください」と言われていました。「糖尿病のこともあるし、普段は良くないけれど、ポテトチップスでも何でも、食べられるものがあったら何でも食べていいですよ」なんて言われていたんです。
でもね、そんな気遣いは全く無用で(笑)。食欲の問題はなく、ご飯はちゃんと食べられています。
──それは安心いたしました! お仕事など、いまはどのように過ごされていますか?
いまは、新規のお仕事はお断りしています。
ですが、がんが発覚する前に決まっていた講演が年末まで週2回くらいのペースで入っていましてね。体調を見ながらですが、責任を持って全国を回るつもりです。7月にも1件、地方で講演を行いました。そのついでに妹たちと観光をしたり、あとは竹原(桐谷さんの故郷)に戻って、お坊さんに、(亡くなられた)父にお経をあげてもらったりしました。それは抗がん剤治療を受ける前でしたが、やはり体力が落ちているのか、昼寝を取ることもありました。
周囲からの様々な反響と
「標準治療に専念する」決意
──病気を公表されてから、周囲やファンの方からの反響も大きかったのではないでしょうか。
SNS(X)で発信すると、ファンの方から色々なコメントやアドバイスをいただくんです。中には専門医という方が、ネットで私の病状を解説している動画なんかもあってね。そういう周囲の声やネットの情報も時々参考にしながら、一喜一憂しすぎず、自分のペースで養生しています。
がんを公表してから、今までお付き合いのなかった方からも、いろいろな連絡をもらうことが増えました。「一緒にがんを治しましょう」とかね。中には「がんに効く」と言って、機械や商品を送ってきた人もいて……。そういうのは私はやれないし、困ってしまうから送り返したものもあります。
色々な情報や話が入ってきますけど、私は、いまお世話になっている先生と相談しながら、標準治療に専念するつもりです。
きっかけは株主優待で行った「まいどおおきに食堂」!
「株主優待で暮らす」呪縛からの解放
──前回のインタビューで「これからは意地を張らずに、もっと現金を使えばよかった」とおっしゃっていましたが、食生活で大きな決断をされたそうですね。
そうなんですよ。テレビなどで「家賃や光熱費以外は、株主優待だけで生活している」なんて公言していた手前、自分の中で「すべての生活を株主優待だけでまかなわなければいけない」と思い込んで、強い制約を自分に課していたんです。
コンビニなら優待でもらったQUOカードなんかで買えるんですけど、スーパーのように優待の金券やポイントが使えない場所で現金を使って買い物をする感覚がなくてね。買うとしても半額になったお弁当くらいだったんです。
それがここ数日で、すごい変化がありましてね!