職場で理不尽な嫌がらせを受け、 大好きな仕事を奪われた女性のために女性弁護士たちが立ち上がるリーガルエンターテインメント『ファーストボイス』。松本穂香は、綾瀬はるか演じる主人公・朝日道子の元で働く新人弁護士・藤野栞を演じている。『ダイヤモンド・ザイ』本誌への登場は2019年以来、5度目。年齢とともに変化するお金への意識についても語ってくれた。(撮影:千倉志野 取材・文:高山亜紀)
性別も時代も関係ない
大切なことを問いかける作品
ヘアメイク:倉田明美 スタイリスト:道端亜未 衣装協力:Bijou de M(ビジュードエム)
「『ファーストボイス』のテーマは女性が受けるハラスメント。でも、性別にかかわらず、人として根本的に大切なことが描かれていると思います。時代を超えて、今の世の中にも問いかける作品です」
お人好しの弁護士・朝日道子(綾瀬はるか)の元で働く藤野栞(松本穂香)は、新人弁護士ながら、朝日とは対照的にシビアで利益を追求するタイプ。男性上司からの風評被害で大好きな仕事を辞めさせられた女性、上原恵(ファーストサマーウイカ)の訴えを、最初は「勝ち目がない」と両断する。
「栞は努力して実力をつけてきた、“自分の力で自分の人生を切り開いていくぞ”という志のある人間です。若さゆえに、周りの意見を聞き入れず、突っ走ってしまうところがあります。物語の序盤、上原さんに『そんな服を着るあなたも悪いですよ』といった主旨のことを言うシーンがあって、ひどいことを言うなと思いながら、演じました(苦笑)。それでも、“自分もハラスメントを受ける立場になることがあるんだ”という経験をし、元来のピュアさで上原さんとまっすぐ向き合っていきます。我の強さやちょっと頑固なところは、私と似ているところがあるかもしれません」
舞台はバブル絶頂期。ボディコンスーツを始め、時代を彩る登場人物たちのファッションも見どころ。松本は前髪を立ち上げたヘアスタイルに挑戦し、バブル絶頂期を再現した。
「みんなの衣装が個性豊かで、すごく素敵です。80年代はファッションに限らず、いろんなことにあまり制限がないような印象を受けました。今なら、『ここで、これしちゃダメ』みたいなことも、許されていたのではないでしょうか。例えば、劇中ではみんながいろんなところで煙草を吸っています。それがいい悪いではなくて、あの時代には縛りのない面があったんだなと思います」
作品には、ハラスメント問題にとどまらず、現代のネット社会にも通じるメッセージが込められている。
「作品を通して伝えたいことは、朝日先生の最後の口頭弁論に詰まっていると思います。私自身は、今の世の中は攻撃的な面が強くなっていると感じます。ネットの不確かな情報に対して誰も疑わないし、そこを攻撃しても悪くないみたいな風潮があります。でも、その標的がもし自分の友だちや家族だったら。そんな風に想像した時に、皆さんはどう感じるのでしょうか。私が日々考えていることを、朝日先生の言葉の中に見つけることができました」