ザイのアナリストや編集部員が、読者から寄せられた疑問に答える人気コーナー「投資&おかねのギモン」。今回は決算シーズンによく見る、業績予想の修正に関する疑問についてお答えします!(財前孝汰郎、ダイヤモンドZAi編集部)
業績予想が変わった場合は即開示!
投資家を守るために東証が定めたルール
(質問)
決算発表の直前に業績予想の修正を発表するのはなぜでしょうか。決算でまとめて発表すればわかりやすいと思うのですが…。
(答え)
上場企業は、「直近で公表している業績予想」から大きく乖離することがわかった時点で、直ちに「新たな予想」を開示することが義務付けられているためです!
7月末から3、6、9、12月期決算企業の四半期決算の発表が本格化。2026年2月末に勃発したイラン紛争と、それに伴う物流の混乱や原油高がどの程度業績に影響を及ぼすのか、注目が集まっています。そんな決算発表シーズンによくあるのが業績予想の修正。本決算の直前に業績予想の修正を発表し、後日その数値にほぼ近い本決算を発表、という流れをしばしば見かけます。なぜ、企業は数日の間に修正を一度発表するのか、そのルールを解説します。
そもそも、上場企業の多くは本決算で前期の業績とともに新しい期の業績予想を開示しています。3月期決算企業であれば4月から翌年3月までの予想を開示するのが一般的。あわせて、4月から9月までの上期の予想を開示する企業もあります。一方で、期初に業績予想の開示を行わず、見通しが立った段階で後から開示する企業も一部あります。
発表された業績予想は、進捗状況や、業績に影響する大きな事象(減損損失の計上、M&Aなど)の発生に応じて、期中に修正されることがあります。これは投資家が適切な投資判断をできるよう、東京証券取引所が「直近で公表している業績予想値と比較して、新たに算出した予想値に差異が発生した場合、かつその差異が東証の定める水準を超える場合、直ちに開示すること」というルールを定めているため。発表が必要な差異は、項目によって異なります。売上は直近公表の予想値から±10%、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は直近公表の予想値から±30%です。その他、各利益の数値の正負の符号が直近公表の予想値から異なった場合(赤字予想・黒字予想への転換)も開示の対象となります。
まとめると、企業が四半期決算のとりまとめを行った時や、期中に新たな予想を算出した時、上記の差異が発生することが判明した段階で、決算発表を待たずに開示しなければいけないということ。そのため、決算発表の直前に業績予想の修正が増えてくるのです。
例として、野村総合研究所(4307)の業績修正を見てみましょう。