インフレの時代になって、高配当株を取り巻く環境もガラリと一変した。金利上昇で国債の利回りが高まる中、債券に勝てる高配当株の利回りや増配における新基準とは。配当性向・DOE・累進配当など、株主還元の明確な目標を持つ企業を重視する戦略が有効だ。本記事では、高配当株の選び方を3つの新基準として紹介する。(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンドZAi」2026年9月号「インフレに勝てる! 上がる&増える 高配当株143」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

【新基準1】インフレを上回るペースで増配できる株を買え!
デフレ・ゼロ金利時代の選び方のままだと危険!

安定配当で安心していると、インフレ時代では足りない!
イラスト=てぶくろ星人
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「インフレ時代になって高配当株を選ぶ基準も変わりました。金利も物価も上昇を開始した今、超低金利でもあったデフレ時代に身に付けた高配当株選びを続けていると、これからは失敗しかねません」(ザイ配当株アナリストの仲村幸浩さん)

 仲村さんが指摘するインフレ時代の高配当株の新しい選び方、つまり新基準は3つある。ここからは順を追って説明しよう。

「安定配当」を評価できたのは昔の話
配当金据置きは「実質減配」!?

 では、どう変わったのか、見ていこう。まず、新基準の1つ目だ。
従来、高配当株といえば「安定配当」を重視していた人が多かった。かつての電力株が典型だったが、景気に左右されず、毎年同じ配当金がもらえる高配当株は、たいへん人気が高かった。

 しかし、これからは考え方を変える必要がある。モノの値段が上がっている中で、配当額がそのままだと、従来は配当収入で買えていたモノやサービスが買えなくなるからだ。

モノの価格と配当金の関係
*物価は2025年の上昇率で少数以下は略
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 例えば2025年の日本の消費者物価指数は前年比で約3.1%上昇した。つまり、100円のモノやサービスは103円に値上がりした。

 このような状況下では、仮に昨年100円だった配当金が、今年も100円のままだと、それは「実質減配」といえる。インフレ時代はインフレを上回るペースで配当金が増える高配当株を買わないと、インフレに負けてしまうのだ。物価上昇率を考慮すると、配当金が前期から物価上昇率以上に増配されないと、実質では減配となる。

 実際、コロナ禍前であれば年間配当金が2000円あればコメ5キロが買えたが、今では2000円の配当金では、コメ5キロは買えなくなっている。コメの価格が約2倍に値上がりしたからだ。

 一方、例えばこの5年で配当金が3.44倍に増えた三菱UFJフィナンシャル・グループの株を持っていたとしよう。配当金の増え方のほうが上回るので、楽々と配当金で値上がりしたコメを買えることになる。

 このようにいまは、インフレを上回るペースで増配する株を選ぼう。