特に株価を動かす可能性が高い
要注目の適時開示情報は3種!

 適時開示情報は多岐にわたるため、個人投資家がすべてに目を通すのは現実的ではありません。では、どういった情報に注目すべきなのでしょうか?

「特に重要な情報は3種」だと仲村さんは指摘します。

「(1)決算発表や業績予想の修正などの『業績関連』(2)配当・株主優待といった株主還元や株式分割などの『資本政策関連』(3)M&Aや業務提携などの『経営上の重要事項』の3種です。株価は、その企業の将来に対する期待の変化で動きます。(1)~(3)の適時開示情報は特にその期待を大きく変える可能性があるため、優先して確認しておきたい情報です」(仲村さん、以下「」すべて)

●特に株価を動かす可能性が高い適時開示情報
分類 主な開示内容
(1)業績関連 決算短信、第2四半期(中間期)決算短信、第1・第3四半期決算短信
業績予想の上方修正・下方修正、予想値と決算値の差異等
(2)資本政策関連 配当予想、配当予想の修正(増配・減配)
剰余金の配当
自己株式の取得(自社株買い)
公開買付け(TOB)
株式分割、株式併合
自社の株式や新株予約権の発行や売り出し
(3)経営上の重要事項 合併等の組織再編
事業の全部や一部の譲渡、譲り受け(事業譲渡)
業務上の提携、業務上の提携の解消(業務提携の開始・終了)
新たな事業の開始(新規事業・事業投資)
固定資産の譲渡や取得、リースによる固定資産の賃貸借(設備投資・資産処分など)
事業の全部や一部の休止または廃止

※出典:日本取引所グループの「適時開示が求められる会社情報」を元に編集部が作成。

 また、適時開示情報は、報道機関などを介さず、企業が直接公表する“一次情報”です。「情報の鮮度が高い上、企業が何を正式に発表したのかを正確に把握できる点に価値がある」と仲村さんは語ります。

 一般的に、企業の成長期待を高める内容なら株価にプラス、期待を低下させる内容ならマイナスに作用します。ただし、実際にはさまざまな要因が複雑に影響するため、必ずしもこの通りに動くとは限りません。好決算を発表したにもかかわらず、その程度の期待は市場(株価)にすでに織り込み済み、とみなされれば株価下落の引き金になることも。株価にどう影響するか自分自身で判断しなければならない点が、適時開示情報を活用する難しさです。

「業績が株価にどう影響するか判断する方法の1つとして、開示された数字が市場予想(アナリスト予想、コンセンサスとも言う)を上回っているか・下回っているかを確認するやり方があります。発表された数字が、市場予想を上回っていればプラス、下回っていればマイナスに働く可能性が高いと判断します。

 ちなみにこの市場予想の数字は、『株予報Pro』といったサイトや、マネックス証券の『銘柄スカウター』などの無料ツールで確認可能です」