ザイの編集部員が、読者から寄せられた疑問に答えるコーナー「投資&おかねのギモン」。今回は最もおトクな価格で株の注文を執行してくれる「SOR注文」の疑問についてお答えします。(財前孝汰郎、ダイヤモンドZAi編集部)

東証の取引価格よりも良い価格を探してくれる
投資家にとっておトクでありがたいシステム
(質問)
株を売買した時、約定画面に「SOR」の文字が出てきます。SORってなんですか?
(答え)
最良の価格で取引できる市場を自動的に選択し、注文を執行するシステムのことです。このシステムにより投資家はおトクに売買できる可能性が高まります。Smart Order Routing(スマート・オーダー・ルーティング)を略して「SOR」と呼ばれます。
モノを売買する時、「1円でも安く買いたい」あるいは「1円でも高く売りたい」と思うのは人の常。Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、複数のECサイトで買いたいモノの価格を調べ、最も安いところで注文するというのはよくあることです。これと同じことが株の売買でも可能。それがSOR(Smart Order Routing)注文です。
SOR注文とは、複数の取引市場から最良の価格で取引できる市場を選択し、注文を執行するシステムのことです。取引市場というと、東京証券取引所や名古屋証券取引所などがまず思い浮かぶでしょう。ですが、実はその他にも、ジャパンネクストや ODX(大阪デジタルエクスチェンジ)など、証券会社が独自で運営するPTS(私設取引所)があります。
このPTSでも多くの株式が取引されており、同じタイミングで同じ銘柄の株価を見た時に、東証とPTSで数円の差が生じることがあります。そこで、証券会社が東証とその他の複数の市場の板を比較して、最も良い価格で注文を執行してくれるのがSOR注文。例えば、「トヨタ自動車100株を3100円以下で買いたい」と指値で注文した時、「東証で3099円」「PTSで3098円」と2つの市場で異なる価格で取引されていれば、条件の良い後者に注文を出してくれるわけです。そのまま約定した場合、(3099円-3098円)×100株=100円おトクに買えたことになります。
同様に保有するトヨタ自動車100株を売りたい場合、「東証で3099円」「PTSで3100円」だった場合は、東証より高く取引されているPTSで売ってくれるわけです。
ただ、SOR注文はあくまでも最良価格での取引を目指すシステム。注文した価格よりも必ずおトクな価格で売買できるわけではないことを覚えておきましょう。なお、PTSで取引されていない銘柄もあります。そのような銘柄はSOR注文の対象外。また、証券会社によっては、単元未満株の注文ではSORが利用できないこともあります。
このSOR注文は5大ネット証券会社のうち、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、三菱eスマート証券で、無料で利用可能です。松井証券は「ベストマッチ(約定価格改善サービス)」というSORとはやや異なる独自のサービスを導入しています。
利用方法はとてもカンタン。実はSBI証券、楽天証券、マネックス証券の現物株取引では、初期設定でSOR注文が有効になっています。したがって、特別な操作は不要でSOR注文が利用可能。注文画面で「SOR指定」にチェックが入っていることを確認しましょう。
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