2023年に東京証券取引所が上場企業に対し、資本コストや株価を意識した経営を求めたことを背景に、配当を増やす企業が増えている。とはいえ、高配当株も玉石混交なので、「利回りの高さ」だけで銘柄を選ぶのは厳禁。業績悪化で、減配が発表されれば、株価下落や利回り低下のリスクがあるからだ。そこで今回は、時価総額300億円以上の銘柄を配当利回りでランキング。そのトップ250銘柄の“実力”を4つの指標で5段階評価した。(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンドZAi」2026年6月号別冊付録の「配当利回りトップ250の配当余力大診断」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

配当の継続力を判断しよう!

指標1配当余力
利益剰余金
配当可能年数を算出 利益剰余金をもとに「配当可能年数」を算出。企業がどれだけ長く配当を出せるかがわかる。
指標2割安度
PERで株価が
割安かをみる! 株価の利益水準に対する割安度がわかるPERで評価。PERが低いと下値リスクが小さい。
指標3安定度
時価総額
業績安定度をみる! 時価総額が大きい企業ほど財務基盤が安定しており、業績悪化時でも減配しにくいといえる。
指標4収益力
ROE
稼ぐ力をみる! ROEでどれだけ効率よく稼いでいるかがわかる。ROEが高い企業は、稼ぐ力が強い。

 まず1つ目は「配当余力」。企業がどれだけ長く配当を出し続けられるかを測るための指標で、利益剰余金をもとに「配当可能年数」を算出した。これは、仮に企業の利益がゼロになっても何年間配当を維持できるかを示すもので、最も重視したいポイントだ。

 トップ250銘柄の中でも、配当可能年数トップ20銘柄をまとめたのが下の表だ。3位にランクインした「パソナグループ」をはじめ、「ホンダ」「日本製鉄」といった人気企業も上位に名を連ねている。

 本特集では、「配当可能年数」に加え、過去5年分と今期予想の配当も掲載している。これらをあわせて確認し、配当の持続力に優れた銘柄を見極めていこう。

 2つ目は「割安度」。PERを使い、株価が利益に対して割安かどうかを診断。高利回りで、さらにPERが割安な水準であれば、下値リスクが小さく、安心して保有できる。

 3つ目は「安定度」。時価総額をもとに企業規模を評価した。時価総額が大きい企業ほど事業基盤が安定しており、減配リスクも低い傾向にあるからだ。

 そして4つ目が「収益力」。企業がどれだけ効率よく利益を生み出しているかがわかるROEで評価した。ROEが高い企業は稼ぐ力が強く、配当維持力が高いといえる。

配当可能年数の計算方法

配当
可能年数
1株利益剰余金 1株配当

企業がこれまで積み上げてきた内部留保である利益剰余金を1株あたりに換算。これを年間の1株配当で割ることで「何年間配当を出し続けられるか」を算出した。

利益剰余金とは?

企業が稼いだ利益のうち、配当などで社外に出ることなく社内に積み上げられた資産のこと。いわば企業の“貯蓄”であり、この金額が大きいほど、仮に業績が落ち込んでも配当を維持しやすいといえる。高配当株選びでは、利回りなどと並んで、チェックしたい指標のひとつだ。

配当も値上がりも狙える
高配当株をプロが厳選!

 利回りトップ250銘柄の4指標を5段階評価。単なる「高利回りランキング」では見えてこない、配当の持続性を踏まえた“本当に狙うべき高配当株”が浮かび上がった。

 さらに今回は、この評価をもとに、銘柄分析に定評のあるフィスコの山本泰三さんに注目銘柄を厳選してもらった。

「配当余力や収益力といった、裏付けある指標を確認し、今後も高配当を維持できる優良高配当株を選抜しました」(山本さん)。

 増配余地のある銘柄を選べば、安定した配当収入に加え、株価上昇による値上がり益も狙える“一石二鳥”が可能だ。「250銘柄の5段階評価」をフル活用し、“安心して持てて、かつ伸びる高配当株”を見つけてほしい。

配当可能年数
トップ20はコレ!