「需給が詰まっている分野は、大きく業績が改善する」――。億超え投資家・こたさんが20年超にわたる投資遍歴の末にたどり着いたのが、需給が逼迫している業種を狙う「ボトルネック投資法」だ。2024年以降、メインの手法に切り替えてから資産増のペースも速まった。その極意を紹介する。(須賀彩子、ダイヤモンドZAi編集部)
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20年超の投資経験をもとに
独自の投資手法を確立
こたさんが株式投資を始めたのは2003年のことだ。20年超にわたる投資人生の中で、資産バリュー株投資(資産に注目して割安株を狙う)→グロース株投資(成長株を狙う)→収益バリュー投資(稼ぐ力に注目して割安株を狙う)と、時代に合わせてメインの手法を変えてきた。
2013年からの10年間は、収益バリュー投資の黄金期だったと振り返る。こたさんも、資産を大きく増やした。
「それでも、自分なりに面白いことをやりたい、新しい投資手法を開発したいと思うようになりました。そうして確立したのが、『ボトルネック投資法』です」
ボトルネック投資法に切り替えてから、資産増のペースはますます加速した。2024年、2025年と年率成績は約40%。そのノウハウを教えてもらった。
需要に供給が追い付かない!
そんな状態こそ大幅な業績改善を生む
こたさんの独自手法「ボトルネック投資法」は、需給の目詰まりを狙うものだ。
「需要が急に伸びて市場が成長していくとき、一番足りなくなるのはどこか、供給をすぐに増やせないのはどこか。そこを探すことが、ボトルネック投資法の核心です」
需給が逼迫すると、売り手の立場が強くなり、値上げや高採算案件の選別がしやすくなる。値上げができれば利益率が改善し、大幅な業績向上につながりやすい。構造的にすぐに増えず、値上げしやすいモノを持っている会社を狙う手法だ。
ではどのように見つけるのか、その具体的なプロセスを教えてもらった。
まず第一歩として、日経新聞、ダイヤモンド、東洋経済などの経済メディアからヒントを得ることが多いという。ボトルネック投資で成功した分野は、「造船」「半導体」「重電」「不動産」など。半導体はすそ野が広いが、その中でも工場向けの「空調工事」や「大型変圧器」に目をつけた。いずれも経済ニュースでよく見かけていた話題だ。
気になった分野は、業界誌や関連銘柄のIR資料で深掘りしていく。業界動向の予測は、シンクタンクの調査レポートや業界団体の統計が参考になる。最近はChatGPTなどの生成AIに聞けば、難しい専門用語も理解しやすくなった。
「足りない」「納期が長期化」「値上げ」――こうした傾向が掴めれば、需給が目詰まりし始めていると判断する。
「情報源は一カ所だけでなく、複数から同じ傾向が確認できると確信が深まります。業界全体の動向を掴むためにも、関連銘柄5〜6社のIR資料をまとめてチェックします」
すぐに解消せず長期化しそうな
強い「目詰まり」を見つける
このとき重要なのは、ボトルネックの強さを見極めることだ。
「需給が逼迫しているように見えても、それが長続きしない場合もあります。競合他社が一斉に増産に動けば、不足はすぐに解消されてしまう。供給不足が短命に終われば、値上げも十分に行われず、大幅な業績改善には至りません」
だからこそ、「なぜ増やせないのか」という理由の強さを探る。技術的な参入障壁があるのか。設備の建設に何年もかかるのか。規制によって市場参加者が制限されているか。理由が強ければ強いほど、ボトルネックの持続期間は長くなる。
以下のようなボトルネックは、長期化すると考えている。
● 人…技能者や資格者を急増できない。(例)建設・サブコン、医療・介護
● 設備…増設に数年かかる。(例)造船、工場設備
● 技術…高度な製造ノウハウがあり、他社が模倣できない。(例)半導体先端材料
● 規制…免許取得に制約がある。(例)航空機、電力
● 資源…資源権益の獲得が難しい。(例)銅、タングステン