ユニークなテーマに挑み続ける経営学者・高橋勅徳さん。誰も注目しない“社会のスキマ”から研究テーマを見つける。また「日本一モテない経営学者」を自認する高橋さんは自身の婚活体験から、婚活研究を始めるなど、「自分で仕事をつくる」生き方を体現している。好きなことをおカネに変える“高橋流マネーライフ”とは?(渡辺賢一、ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンドZAi」2026年11月号「インタビュー連載 あの人に聞きたい! おカネの本音」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

経営学者なのに、
普通の会社に興味がない!?

東京都立大学大学院准教授の高橋勅徳さん
写真=圷 邦信
高橋勅徳さん 1974年生まれ。東京都立大学大学院経営学研究科准教授。
専門は企業家研究、経営組織論。神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了。博士(経営学)。沖縄大学法経学部専任講師、滋賀大学経済学部准教授、首都大学東京(現・東京都立大学)大学院社会科学研究科准教授を経て現職。
著書に『アナーキー経営学』(NHK出版新書)、『婚活戦略』(中央経済社)など。メールマガジン「高橋勅徳のメルマガ経営漫談」も配信している。

──経営学といえば、組織論やマネジメント論といったテーマが思い浮かびます。でも、高橋先生の研究テーマは少し異色ですね。

 最初は普通に大企業の組織やマネジメントを研究するつもりでした。でも、大学院の修士課程から博士課程へ進む頃に、そもそも「自分は普通の会社にあまり興味がない」と気付いたんです(笑)。

 一方で、父が大工だったこともあって、自営業や職人の世界には昔から興味がありました。調べてみると、そうした小さな商売や企業家を対象にした研究は、当時の日本ではほとんど行われていなかった。

 ちょうどITバブルが始まった1990年代後半で、日本でもベンチャー企業が登場し始めていました。「これから企業家が注目される時代が来る」と感じたこともあり、企業家研究の道に進みました。

 誰もやっていないなら、すぐこの分野で第一人者になれるだろうという、姑息(こそく)な計算もありました(笑)。

違法と合法の境界 
面白い商売が隠れている!

──その後は婚活、違法と合法の境界にあるビジネス、「そこそこ起業」など、さらに研究テーマが広がっています。

 根っこの企業家研究から派生したテーマもあれば、まったく違うところから偶然見つけたものもあります。

 たとえば、違法と合法の境界にあるビジネスの研究は企業家研究の延長です。IT系ベンチャーの中には、革新的すぎて、登場した当初は法律や既存ルールに収まりきらないサービスもある。そうした新しい事業を企業家がどう社会に受け入れさせていくのかに興味を持ちました。

高橋先生は日本の企業家研究の第一人者!
写真=圷 邦信
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 一方、婚活研究は、専門とはほぼ関係なく、「日本一モテない経営学者」を自認する私自身の婚活体験から始まりました。

 テーマだけを見るとバラバラですが、振り返ってみると共通しているのは、誰も注目していない“社会のスキマ”を見ていることです。そこに新しい研究テーマや商売のヒントが隠れているんですよね。