ANAホールディングスの株主総会が2026年6月26日に開催された。2026年3月期は過去最高益を達成したが、当日の会場では、5月の国内線新システム移行の混乱や、4月に発表されたANAスーパーフライヤーズカード(SFC)の制度改定を巡り、株主から厳しい質問が相次いだ。経営陣が陣頭指揮を執るタスクフォースの現状や、反発を招いたANAスーパーフライヤーズカード制度の見直し方針など、経営陣と株主のやり取りをレポートする。(ダイヤモンドZAi編集部)

ANAホールディングスの2026年3月期の業績は好調だ。売上高・営業利益・当期純利益のいずれも過去最高を更新した。1株配当は2025年3月期から5円増額し、65円に。しかし、足元の経営環境は楽観視できない。2027年3月期は、中東情勢の影響による燃油価格の高騰などで、当期純利益で700億円ほどの減益を見込んでいる。
ところが、株主総会で焦点となったのは、業績の数字よりも、現在生じている混乱への対応だった。4月にラウンジ利用などの条件として、年間決済300万円を必要とするANAスーパーフライヤーズカードの制度改定が発表されると、多くのユーザーから不満の声が噴出。さらに、5月の国内線新システム移行と新運賃体系の導入により、ウェブサイトで処理遅延やエラーが続出。窓口には問い合わせが殺到し、対応に最大2カ月かかる事態となった。
一日も早く本来の利便性と信頼を取り戻せるのか。議長の芝田浩二社長をはじめとする経営陣の言葉に注目が集まった。以下、株主との間で交わされたやり取りをテーマ別に紹介する。
新システム移行と新運賃導入の混乱に陳謝
夏休み前に大きなリリースを予定
質疑応答に先立ち、事前のインターネット受付で特に質問や意見が集中した「国内線新システム移行・新運賃体系の導入」について、傘下のANA・平澤寿一社長から現在の対応状況と経営としての思いが説明された。
平澤社長は「長年ANAを支えてくださっている株主様、お客様に対し、ウェブサイトの使いづらさや窓口の混雑など、多大なご不便とご負担をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。『顧客に寄り添っていないのではないか』というお声をいただいたことを、私自身、大変重く受け止めております」と陳謝。延べ2000人以上の体制でコールセンターの逼迫対応に当たっていることや、ウェブ機能の性能改善を日々進めている現状を明かした。
また、新運賃で最も安価な「シンプル」運賃について、「満席時に搭乗を断られるのではないか」という不安の声が寄せられていることに対し、「運賃の種類のみを理由に振替にご協力をお願いすることは絶対にございません。システムのエラーなどでチェックインができなかった場合におきましても、空港カウンターにて適切な対応をさせていただきますので、どうかご安心ください」と強い言葉で約束した。
まずは質問が集中した、新システムに関する質疑を見ていこう。
【質問】システム変更と新運賃体系のリリースを同時に行ったことが混乱の原因ではないか。システムのリリース判定や今後の正常化への目処、追加費用について聞きたい。