東京エレクトロンの株主総会が2026年6月23日に開催された。日本を代表する半導体の本命株でもある。当日、会場の前方席はほぼ満席で、株主からの期待の高さがうかがえた。元競合社員からは業界内での立ち位置を問う鋭い質問や、中国の次に狙う市場、知財戦略に至るまで、さまざまな角度から経営戦略を問う質問が飛んだ。その仔細をレポートする。(ダイヤモンドZAi編集部)

 東京エレクトロンは、半導体そのものを作る会社ではない。半導体メーカーが使う製造装置を手がける。

東京エレクトロン株主総会

 なかでも強いのが、半導体製造の「前工程」と呼ばれる分野。シリコンウエハー上に微細な回路を作り込む上で重要な、成膜、塗布・現像、エッチング、洗浄などの工程で、幅広い装置を持つ。

 製造装置はAI半導体やHBM、先端ロジック向けにも必要で、いわばAI半導体ブームを支える“裏方の主役”だ。

 株式市場の評価も高い。時価総額は、この10年間で約30倍に拡大し、日本の上場企業では5位。2026年度上期(4〜9月)も、売上高1兆5700億円、営業利益4310億円と過去最高を見込む。ROEは約30%という高水準だ。

 株主還元にも積極的で、配当性向は50%をメドとしている。前期は約1500億円の自社株買いを実施し、株主還元総額は4374億円に達した。株価上昇によって最低投資額が700万円台まで膨らんだこともあり、2026年10月1日付で1株を5株に分割することも発表した。

 AIブームに沸く半導体株の本命として、今後も高い成長を続けられるのか。河合利樹社長をはじめとする経営陣の言葉に、多くの株主が耳を傾けた。

 以下、株主との間で交わされたやり取りを、一問一答形式で紹介する。

まだ道半ば、
いくつもの装置で世界トップを目指す

【質問】20年以上保有している長期株主です。東京エレクトロンは、これからも尖っていくのか。そろそろ現状維持でいいと考えているのか。20年、30年先を見据えた考えを聞きたい。

【回答】私たちは、まだ中間点、道半ば。

 最先端半導体の製造工程は2000以上に及び、まだ多くのビジネスチャンスがある。東京エレクトロンは、成膜、塗布・現像、エッチング、洗浄など、多くの製品ラインアップを持ち、顧客と10年先のロードマップを共有できることが強み。

 まずは、現在世界1〜3位にある製品群をすべて1位にすることが「一丁目一番地」。

 さらに、成長著しいアドバンストパッケージ市場や、未参入で市場規模の大きい成膜分野(PVD、PECVD)にも狙いを定める。シリコンバレーの新たな研究開発拠点も活用し、さらなる成長を目指す。

【質問】以前、競合企業に勤めており、その立場から見ても、東京エレクトロンの製品は非常に強かった。ただ、市場が大きいプラズマエッチング装置では、ずっと2位のまま。1位にするための戦略はあるのか。