50代・60代の利用者が急増しているスキマバイトアプリ「タイミー」。定年後の収入源として、あるいは社会とのつながりを求めて始める人が増えているという。実際のところ、月5万円は稼げるのか。どんな仕事が向いているのか。地雷案件を避けるにはどうすればいいのか。タイミーを100回以上体験、ダイヤモンド・オンラインでも累計1000万PVを叩き出している「タイミーさんが見た世界」という人気の連載を持つ「みやーんZZ」さんに詳しく聞いた。(木村香代、ダイヤモンド・ザイ編集部)
「月5万は、週2回・4時間で
現実的に届く数字です」
定年後に月5万円をタイミーで稼ぐことは、現実的に可能なのだろうか。
「今の東京都の最低賃金は1226円(2025年10月現在)です。タイミーの案件は大体それに近い水準で出てきます。月5万円だと必要な時間は40時間程度。4時間の仕事なら10日、5時間なら8日で月5万円達成できますね」
フルタイムで働く必要はない。週2回、4〜5時間、定期的に外に出る機会が欲しい、体を動かしたいという人であれば、週2回というペースはそれほど無理な水準ではないだろう。ただし、地域によっては案件の数に大きな差がある。東京や横浜などの大都市圏ならば仕事は豊富だが、地方では案件が少ない場合も多い。地方での仕事は、ホテルや旅館での朝食や夕食の手伝い、農作業などが中心になるそうだ。
みやーんさん自身、「日本中の球場でスキマバイトするのが目標」ということで、通常は都市圏をチェックするが、旅行先が決まるとアプリ上で地域を切り替えて検索する。
「野菜の収穫とか、農作業の案件はいっぱいあります。ただ、車がないと行きにくい場所なんで、まだやったことないんですよね。興味はあるんですけど」
車を持つシニアにとっては、むしろ農作業系は魅力的な選択肢になりそうだ。みやーんさんは「軽バンを車中泊仕様に改造して、旅タイミー+動画配信とか、楽しそうだなと思うんですよね。まだやってる人も少なそうだし」と話す。旅をしながら働き、働きながら旅をする。定年後の時間の使い方として、ひとつの理想形かもしれない。
みやーんさんによれば、定年前後のシニア世代や、シニア世代の女性タイミーも珍しくないそうだ。
「飲食店でも、宅配便の仕分けでも、60代の女性が活躍しているのを何度も見てきました。女性の場合は、子どもが大学生になり、子育ても一段落して急に暇になっちゃったので、タイミーをやったらハマったんです、という方が結構いらっしゃいますね」
人気求人を逃さないために
「お気に入り」「アラート機能」を活用
昨年の大阪万博のパビリオンをはじめ、大谷選手が出場した東京ドーム、世界陸上でのバイトなど、人気案件を獲得しているみやーんさん。競争率が高そうだが、ノウハウはあるのだろうか。
「人気のある求人は、競技かるたのような世界です(笑)。アラートが来た瞬間に申し込まないと、もう終わっていることも珍しくないですね」
そこで活用したいのが、お気に入り機能だ。
「気になる求人は、たとえ募集が終わっていても、お気に入りに登録しておくことです。申し込んだ人がキャンセルすると自動的に再募集がかかるので、そのときにアラートが届いて申し込めます。スキマバイトはキャンセル率も高めなんじゃないかな」
またアプリでは地域のほかに、キーワードでの検索も可能である。
「例えば私が名古屋に行く予定があれば、地域を愛知県に設定して『球場』などのキーワードで検索します。出てきた求人をお気に入りに入れておけば、現在募集していなくても、次の募集のタイミングを逃さないので」
気になった求人は積極的にお気に入りへ。それが人気案件をゲットするノウハウのようだ。
地雷案件を避けるための
最重要指標「Good率」
実際に働く場合に、働きやすさや雰囲気など心配なことも多い。初めてタイミーを利用する人が最初に知っておくべき指標が、「Good率」である。
「働いた後、利用者が職場をマルかバツで評価します。みんな基本的にマルをつけるので、バツがつくということはよほどのことがあった証拠なんです」
その背景には、評価の仕組みがある。この評価は相互評価なのだ。
「バツをつけると、雇用した方からも報復的にバツをつけられるリスクがある。しかも、バツが1個つくと、こちらのGood率が下がってしまって、挽回するのに30回ほど働かなければならないんです。だから、みんな、よっぽどのことがないとバツは押さないんですよね」
それほど重みのある評価だからこそ、Good率は信頼できる指標になる。
「98%まではおおむね大丈夫。95%を割ったらかなり要注意。90%を切っていたら、ほぼ確実に地雷です(笑)。なので、初めての人はグッド率100%の案件だけやっておけばいいと思います」
この方法でリスクも回避できそうだ。
「当たり」の職場には、
清潔なユニフォームがある
職場の質はGood率だけでは見えない部分もある。「実際に行ってみてわかる”当たり”のサインがある」とみやーんさんは言う。
「クリーニング済みのビニールに入ったユニフォームが出てきたら、当たりです」
反対に、いつ洗ったかわからないくしゃくしゃのTシャツや、誰が何度かぶったかわからない帽子が出てきたら、職場の管理意識を疑うべきサインだ。
みやーんさんは対策として、作業服の指定がない場合でも黒いTシャツを着ていくことが多いという。たいてい作業服には黒いシャツが出てくるそうで、袖を通すのが嫌な作業服の場合「このままでもいいですか」と申し出る余地が生まれるからだ。
もうひとつの”当たり”のサインは、名前で呼ばれるかどうかだ。
「タイミーさんと呼ばれるのと、名前で呼んでもらえるのとでは、気持ちがぜんぜん違います。ちゃんと名札まで用意してくれているところは、働く人に優劣をつけず、平等に扱ってくれているんだなと感じてやる気がアップしますね」
タイミーワーカーを「同僚」として扱ってくれるのは、良い職場なのだ。