日経平均株価は2026年上期の急騰後に調整入り。AI関連の過剰投資や米国半導体の株安などが懸念材料になった。マネックス証券の広木隆さんによると、それでも日本株にとってプラスになる材料がいくつかあったという。秋以降も米国の選挙など、まだまだ注目イベントが控えている。そこでプロが次の3カ月の株式相場をガチ予測した!(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンドZAi」2026年10月号「次の3カ月何が起きる? プロが今の株式相場のポイントを解説&ガチ予測! 経済動向&株価予測」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

プロによる現状の分析!
上期の高騰の反動やAIへの投資懸念で調整中

教えてくれたのはマネックス証券の広木隆さん!
撮影=山本祐之
マネックス証券チーフ・ストラテジスト 広木隆さん
国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなどさまざまな運用機関でファンドマネージャー等を歴任。2010年より現職。テレビ・ラジオのレギュラーコメンテーターを務めるなどメディアへの出演も多数。

 日経平均株価は2026年6月下旬に7万2000円台の最高値を付けた後、調整局面に。米国の半導体株安の流れを引き継ぎ、7月29日は6万1000円台まで下落しました。

日経平均株価は調整を挟みつつ、7万円台を回復
AI・半導体株の調整に伴い、2026年7月は7万円から一時6万1000円台まで大きく下落した。韓国総合株価指数(KOSPI)の値動きの影響を受け、1日の変動幅も拡大している。
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 日経平均は2026年の上期に約40%も上昇。さすがに上がり過ぎということで売りも出てきて、調整が続いています。

 また、米国の巨大テック企業の過剰投資懸念が再燃していることも調整の理由の一つ。メタやマイクロソフトなどのバランスシート上で、見えないAI関連投資の債務が膨らんでいるとの報道がありました。AI相場が崩れる決定打にはなりませんが、今後もこうした懸念は何度も蒸し返され、相場を揺るがすでしょう。

 その他に、中国を発端とする要因も。中国のメモリ企業であるCXMTが急成長を遂げており、7月末に上海証券取引所に上場しました。市場ではメモリの増産により需給が緩み、値崩れが起こる可能性が警戒されています。また、新興企業であるムーンショットが発表した「Kimi K3」は、性能の高さで既存のAIモデルを脅かしています。

今後の注目点&予測ポイント
結果にかかわらず、米国中間選挙後は一段高へ

 AI関連株および日経平均株価はしばらく調整局面が続きそう。ただし、この調整が終われば、秋に向かって上昇基調を取り戻すでしょう。

 今後の注目点は、米国の中間選挙です。民主党が勝つと既存の政治の枠組みが変わります。期間中はトランプ大統領が想定外のことを言い出すリスクも。こうした先行きの不透明感から例年米国株は選挙前にいったん調整し、日本株も同様の動きに。ただ、結果が見えてくれば再び上昇に転じ、どちらの政党が勝っても選挙後は一段高へ。日経平均は7万3000円程度まで上昇するとみます。加えて、10月末から始まる中間決算も追い風となりそうです。

 ただし、前述の通り、AIへの過剰投資懸念はくすぶり続けます。米アルファベットは利益を設備投資につぎ込み、上場来初めて四半期のフリーキャッシュフローが赤字となりました(下図を参照)。中間決算で改善されるか注視しましょう。

米アルファベットのフリーキャッシュフローの推移(四半期)
出所:QUICK FACTSET
フリーキャッシュフローとは企業が自由に使える資金余力のことで、財務の健全性も示す。米アルファベットはAI投資の拡大で上場来初の赤字に。収益化が進まず赤字が広がると、市場の懸念も広がりAI相場が崩れるか。
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 7月のFOMCでは、政策金利は据置かれました。一方で、インフレ率は依然高く、利上げの時期が焦点となっています。ただ、労働市場は強すぎず弱すぎずの適温状態です。AIが若年層の雇用を奪っていますが、そもそもトランプ政権下で移民が減り、労働力も不足している状況。均衡が取れており、失業率は低位で安定しています。現状は金融政策を動かす必要がなく、利上げは後にずれ、日本株にはプラスでしょう。

*米国の金融政策を決定する会合。
※見通しは2026年8月4日時点。