日本を代表する半導体関連株やDX関連株の業績が好調だ。今後も利益成長が続き、株価上昇が期待できる銘柄も多い。
日本企業の2026年4~6月期の決算が絶好調だ。時価総額上位200銘柄の直近四半期業績を集計すると、9割超の184銘柄が前年同期比で増収となり、173銘柄が経常増益を達成した。ただし、日本企業全体の稼ぐ力が一様に高まったと考えるのは早計だ。AIブームによる半導体需要の拡大が業績を支える一方、円安や関税の還付など、一時的な要因で利益が膨らんだ企業もある。では、今後も成長を続け、株価上昇が期待できる企業はどこか。マーケットコメンテーターの岡村友哉さんと、山和証券の志田憲太郎さんに、最新決算の解説と注目の3銘柄を聞いた。(今村光博、ダイヤモンドZAi編集部)
※株価および業績データは2026年9月29日時点。チャートはマネックス証券。
写真=圷邦信
写真=圷邦信
大型株の9割超が増収を達成!
日本企業の好決算を支えた要因とは?
日本企業の2026年4~6月期の決算でまず驚かされるのが、日本の大型株の業績の強さだ。時価総額上位200銘柄の直近の四半期決算を集計すると、9割超にあたる184銘柄が前年同期比で増収を達成。経常利益も173銘柄が増益となった。マーケットコメンテーターの岡村友哉さんも、今回の決算を「史上まれに見る、非常に強い決算だった」と評価する。
「米系証券会社による集計では、TOPIX構成銘柄全体の第1四半期の経常増益率は+51%と、過去20年で最も高い水準でした。業績が拡大し、それを裏付けにTOPIXも最高値を更新したわけですから、非常に理想的な形です」(岡村さん)
しかも、第1四半期決算発表時に今期の通期業績予想を引き下げた企業は極めて少なかった。米系証券会社によると、下方修正した企業は全体の1%程度で、第1四半期決算発表時としては過去最低レベルだったという。岡村さんは、本決算発表時(2026年5月頃)に原油高や中東情勢、物価上昇、円高などを警戒し、慎重な通期業績予想を示した企業が多かったと指摘する。一方、第1四半期(2026年4~6月)には懸念していたほどの悪影響が出ず、下方修正の少なさにつながったと分析している。
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キオクシアの大幅増益が全体を底上げ!
数字だけではわからない「利益の中身」に注意
もっとも、+51%という増益率だけを見て、「日本企業の稼ぐ力が一気に1.5倍になった」と考えるのは早計だ。全体の利益を大きく押し上げた企業の一つが、時価総額4位のキオクシアホールディングス(285A)だ。同社の直近四半期の売上高は前年同期比5.15倍の1兆7671億円(前年同期は3427億円)、経常利益は同45.2倍の1兆2347億円(同273億円)に達した。AI向けデータセンターで使われるNAND型フラッシュメモリやSSDの需要が急拡大し、利益が飛躍的に伸びた。
「TOPIX構成銘柄全体の通期経常増益率も、キオクシアの大幅増益によって大きく押し上げられています。ただし、増益の要因は企業によって異なります。円安や米国で支払った追加関税の還付、在庫評価益など、一時的な要因で利益が膨らんだ企業もあります。一方、値上げや価格転嫁による利益率の改善、AI活用による生産性の向上、AI需要の拡大に伴う半導体の販売数量の増加などは、継続的な利益成長につながる可能性があります。同じ増益でも、何が利益を押し上げているのか、その中身を見極めることが大切です」(岡村さん)
つまり、これからの銘柄選びでは、単に増益率の高さだけに目を向けるのでは不十分だ。来期以降も利益成長が続くのか、それとも一時的な追い風によるものなのか。増益の持続性を見極める必要がある。
次ページから、時価総額上位50銘柄のすべての、直近四半期の増収率・増益率、および、通期会社予想の増収率・経常増益率を掲載する。またその中から「きわめて好業績」なのになぜか売られてしまっている、割安放置のAI銘柄を3つ紹介する。