今年も株主総会シーズンが到来した。赤字、業績不振、不祥事、システム障害――「お騒がせ企業」の総会では、怒れる株主の追及が相次ぐ。日産自動車では開始早々に動議が飛び出し、ホンダやニデックにも厳しい声が集中。経営陣は何を語り、追及にどう答えたのか。注目7社の波乱の総会から、投資判断のヒントを探る。(ダイヤモンドZAi編集部、写真=Adobe Stock)

「ダイヤモンドZAi」2026年9月号の「株主総会32社 2026 直撃レポート!」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

赤字、不祥事、業績不振に株主が直言!
お騒がせ企業7社の株主総会

 赤字や不祥事のあった会社の総会は株主の追及が盛ん。経営陣は平身低頭で謝罪するが、責任は取らないのがお騒がせ企業の総会の光景だ。

 経営危機に陥った日産自動車の総会では、怒り心頭の個人株主から株主提案や動議があったがことごとく否決。ホンダはEV戦略の失敗で大赤字。株主は次々と責任を追及するが、経営陣は言い訳に終始した。

 粉飾決算が発覚したニデック、業績不振のヤクルト本社、トラブル多発のANAホールディングスも、経営陣は無難な回答で逃げ切った。

赤字・無配に株主の怒り噴出!
日産自動車

動議を出す株主と対応する経営陣のイラストと、日産自動車の株主総会日時が載っている。図の見出しは「銀行出身の取締役再任が否認」。
拡大画像表示

 前期は2期連続の最終赤字で無配。今期は最終黒字を計画するが、無配継続へ。この1年で株価は12%も下落、時価総額はトヨタ自動車の約40分の1に。

 しかし、社長は5億円超の報酬をゲット。そんな日産自動車の総会には、怒り心頭の株主が集合。開始早々に動議が出るなど、2時間半にわたる大荒れ総会に。

動議 議長(現社長)は昨年の株主総会で、経営危機を招いた前社長の責任を問う株主からの質問に対し、前社長に発言させまいとした。これは会社法314条(総会における取締役等の株主への説明義務)に違反する。議長の不信任を求める。

回答 会社として昨年に説明済み。同動議への反対を提案する。私の提案に賛成の方は拍手を(拍手)。過半数の賛成が得られたので、動議は否決されたとみなします。

質問 動議は、拍手が何ヘルツ以上だと否決なのか?(皮肉?)

回答 拍手の音量で決めていない。

動議 会社の独立性が損なわれる恐れから、メインバンク出身の取締役候補(永井素夫氏)の選任に反対だ。

回答 弁護士と協議の上、これは動議ではないと判断する(編集部注:しかし、筆頭株主のルノーが議決権行使を棄権。これを受け、会社提案を異例の総会中に修正。永井氏の再任は否決された)。

質問 カルロス・ゴーン氏の役員復帰を提案したい。劇薬だが、彼ならもっと大胆な改革がやれるはずだ。

回答 この件は役員選任の際に採決をとる(結局「拍手多数」で否決)。

質問 昔はいい会社だったけど、ゴーンはとんずらするし、前社長は「株価を上げる」と言いながら、結局何もしなかった。今後も不安だ。

回答 ……今後も努力する。

 日産自動車の状況に関して、プロはどのように分析するか。

 経済ジャーナリストの和島英樹さんは、「PBR0.2倍台は、『割安』ではなく破たんを織込んだ水準。資産売却やリストラをしても、『売れる車』が作れない限り復活は厳しそう。無配でもあり買う理由がない」と話す。