ZAiの編集部員が、読者から寄せられた疑問に答えるコーナー「投資&おかねのギモン」。今回は優待投資家の間で最近話題の「シェア型(山分け)株主優待」の疑問についてお答えします。全銘柄の優待内容も一挙紹介!(上尾歩、ダイヤモンドZAi編集部)
事前にいくらもらえるか分からない
“利回りガチャ”の株主優待が増えている!?
(質問)
事前に1人あたりの贈呈金額が分からない、新しい株主優待があると聞きました。どんな仕組みか知りたいです。
(答え)
あらかじめ、企業が提供する優待品の総額(株主還元総額)を決めておき、権利確定日に条件に達している株主でそれを分け合う「シェア型(山分け)株主優待」という新しい仕組みが広がりを見せています。一般的な株主優待は、「100株以上の保有で1000円分」というように、保有株数に対していくら分の優待品がもらえるか事前に示されています。一方、シェア型株主優待は、「株主還元総額1000万円を100株以上保有する株主で等分」といった形をとります。割り算の分母となる株主数が増えれば利回りが下がり、反対に株主数が減れば利回りが上がる仕組みです。権利確定日時点で条件を満たした株主数が分母となるため、事前に1人あたりいくらもらえるか分からないのが特徴です。
●シェア型株主優待における1人あたりの優待額の計算式
このシェア型株主優待を開発し、最初に導入したのがデジタルプラス(3691)です。2025年10月にこの仕組みの提供を開始し、12月に優待として採用することを発表しました。
デジタルプラスは、近年株主優待を新設・変更する多くの企業から優待品として選ばれている、「デジタルギフト(R)」の提供元(運営企業)でもあります。デジタルギフトとは、企業が定めた「贈呈額」分を、自分が選んだポイントや電子マネーに交換できるもの。交換先は企業ごとに異なりますが、PayPayマネーライト、Amazonギフトカード、QUOカードPay、dポイント、au PAY ギフトカードなど多様です。つまり、実体がある品物ではなく、スマホなどで受け取る電子マネーに近いものです。今のところ、シェア型株主優待を採用する企業は全社、このデジタルギフト(名称が異なる同様のものも含む)を優待品に採用しています。シェア型は株主数によって贈呈金額が毎回変わったり、キリが悪い金額になったりするので、短期間に1円単位で金額設定をして贈呈できるデジタルギフトは相性がいいのです。
ではなぜ、シェア型株主優待が広がりつつあるのでしょうか。企業にとって最大のメリットは、優待にかかるコスト(予算)の上限を固定できる点にあります。従来の株主優待制度では、「100株保有で1000円分」というように単価が決まっているため、株主数が増えれば増えるほど企業の費用負担も青天井で膨らんでしまうというリスクがありました。しかしシェア型なら「総額◯◯万円」とあらかじめ優待還元の総額を固定できます。これにより、企業は予算管理が容易になり、想定外のコスト増を避けられるのです。
一方、株主にとっては「事前に1人あたりいくらもらえるか分からない」という点が大きなデメリットです。ただ前述のとおり、企業にとって無理のない設計なので優待が短期間で改悪・廃止されず長続きしやすい点は、株主にとってのメリットになるでしょう。