株や投信で一生懸命増やした資産、家族にどう遺すか考えているだろうか。相続の準備を怠れば、せっかくの資産が家族の負担やトラブルを招きかねない。すべての個人投資家が知っておきたい「終活」について、その落とし穴と対策を、相続のプロ2人の助言から見ていく。今から備えておこう!(ダイヤモンドZAi編集部)

 「ダイヤモンドZAi」2025年10月号の「投資家のための終活大全」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

一生懸命増やした資産
家族にどう遺す?

 投資家にとって、資産形成は喜びそのもの。でも、その増やした資産を万が一の時にどう引き継ぐか……。そういった「終活」まで考えている人は、どれほどいるだろうか?

 もし準備せずに亡くなった場合、アナタの「賢い」資産形成が、愛する家族を大いに困らせてしまう可能性があるのだ。
 では、準備をしないままだと、どのような問題が起こり得るのか。具体的なケースで見ていこう。

口座がわからないと
家族が問い合わせ地獄に!

故人の口座情報がわからず、遺族が複数の金融機関に電話で問い合わせるイラスト。
家族と口座情報を共有していないと、死後、金融機関への問い合わせに追われることも。ネット銀行やネット証券は手がかりが少ないため、口座のある会社名だけでも伝えておきたい。

 「アナタの死後、残されたご家族がアナタの財産を探すことになります。これが非常に大変なのです」 そう語るのは、相続専門税理士の前田智子さん。

 現代の投資家は、株式投資はもちろん、FXや暗号資産など、多種多様な金融商品に手を出している。しかも、その取引のほとんどをスマホやパソコンの中で完結させている。

 「相続人であっても、携帯会社はスマホのパスワードを教えてくれません。

 手掛かりがないと、最悪、家族が金融機関に一つずつ問い合わせることに……。膨大な時間と手間がかかります」(前田さん)