「株は相続したらすぐ売れる」と思っているなら注意したい。実際には口座の移管が終わるまで売却できず、株価の急変や税金の扱いが相続人の負担になることがある。信用取引や暗号資産が絡むと、問題はさらに複雑だ。思わぬ負担を避けるために、相続前後で何を確認すべきか、家族で共有しておきたい基本を確認しよう!(ダイヤモンドZAi編集部)

「ダイヤモンドZAi」2025年10月号の「投資家のための終活大全」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

亡くなった人の株は
すぐには売れない!

相続手続き中に株価が暴落しても、相続税額は下がらないことを説明するイラスト。
相続税の申告手続き中に株価が暴落しても、相続税額は下がらない。申告期限は死後10カ月以内のため、その間の株価変動には注意したい。
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 実は、亡くなった人の株は、相続することが決まっていても、すぐには売れない。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんはこう語る。

「株の『移管』の手続きが終わるまで株は売れません。私の母親の証券口座の手続きも、完了までに3カ月ほどかかりました。

 慣れていない一般の方ならもっとかかるかもしれません。手続きをしている間に株価が大きく変動すると、相続税の計算上の価値と、実際の売却額にズレが生じる可能性もあります。」

 株の相続税の評価額は、下の1~4の金額から選べる。最も低い金額を選んで計算すればよい。

【上場株式の評価方法】

1.   相続発生日(亡くなった日)の終値
2.   相続発生月の毎日の終値の平均
3.   相続発生前月の毎日の終値の平均
4.   相続発生前々月の毎日の終値の平均

 たとえば、亡くなった日に偶然にも株価が高騰していた場合も、心配しなくて大丈夫だ。2~4から金額が低いものを採用できるので相続税を抑えられる。

 ただし、亡くなった日から数カ月のうちに株価が大暴落すると、相続税だけが高くついてしまう可能性がある。

 相続税の申告と納税は10カ月以内が期限だが、株を相続する場合、のんびりはしていられないのだ。