コツコツ貯めたマイルやポイントや電子マネーの
相続ルールはバラバラだった!

困るパターン2
マイル・ポイント・電子マネー「そもそも相続できる?」

 電子マネーやポイント、航空マイルなど、金額に換算すると無視できないデジタル資産が増えている。これらは死亡時に相続対象となるのだろうか。どう扱えばいいのか悩むケースが増えている。結論から言うと、サービスごとに対応が分かれる。

 いまや高齢者でも日常で使用しているPayPayやSuicaなどの主要な電子マネーは相続が可能だ。ただし、手続きはかなり面倒だ。銀行口座の相続と同様に、相続人であることを証明する書類(戸籍謄本や遺産分割協議書など)が必要となる。 数千円の電子マネーのために、その手間や書類発行の手数料を費やす価値があるのか迷うことも多そうだ。

 大手航空会社のマイルも相続可能だ。ANAもJALも、マイルは相続財産として引き継ぐことができる。ただし、手続きには期限が設けられている場合が多く、証明書類等の提出も必要だ。親がマイラーで数十万マイルが貯まっていたなら、相続の手間や時間をかける価値はありそうだ。

 一方、主要なポイントは基本的には相続できない。一般的にポイントは「一身専属」といって、本人のみの権利とされているためだ。楽天ポイント、dポイント、Vポイント、Pontaポイントなどの主要ポイントは、会員が死亡した場合は引き継ぐことができず、会員の死亡で失効する。相続を意識するなら、使い切っておくのも手だ。

*国家資格や役員の地位など、本人限定で相続ができない権利

マイルは相続可能だがポイントは相続できない!
スマホの中の遺産の相続ルール

資産の種類 相続の可否 主な特徴と注意点
電子マネー (PayPay、Suicaなど主要なもの) 可能 相続人であることを証明する書類(戸籍謄本や遺産分割協議書など)の提出が必要。残高が数千円程度の場合、手続きの手間と見合うかの判断が必要。
航空マイル (ANA、JALなど) 可能 大手航空会社の場合は、相続財産として引き継ぎ可能。ただし手続きには6カ月の申請期限が設けられている場合が多く、戸籍等の証明書類提出が必要で手間はかかる。
主要ポイント (楽天、dポイント、Vポイント、Pontaなど) 不可 原則として「一身専属」の権利とみなされ、会員の死亡とともに資格喪失・失効する規約が一般的。

*一身専属:国家資格や役員の地位など、本人のみが所有・行使できる権利のこと。

残された家族が困らないために!
今どき必要な「2つの準備」

 スマホの中の財産は、放置すると最悪の場合、遺産として認識されないまま雲散霧消してしまう。残された家族に余計な労力をかけさせないために、弓家田税理士は防犯には十分注意をした上で、生前に以下の2点を実行しておくことを推奨してくれた。

1.   利用している「ネット金融機関名」を書き残しておく
詳細な残高や口座番号まで書く必要はない。「どのネット銀行やネット証券を使っているか、どの保険会社と契約があるか」という会社名のリストがあるだけで、家族の照会作業は格段に楽になる。

2.   スマホの暗証番号の共有手段を作っておく
スマホが開けないために調査を諦めてしまうケースが多発している。抵抗があるかもしれないが、「信頼できる家族にだけは暗証番号を伝えておく」といった対策を講じておこう。

本記事は2026年9月19日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。