親が亡くなった際、相続財産が少ない庶民ほど相続でもめるケースが多い。詳しくは、ダイヤモンドZAi11月号で掲載の連載漫画『どこから来てどこに行くのか日本国』の「庶民ほど争いが多発!少額相続の落とし穴」にて解説している。そんな相続の悩みの中でも最近急増しているのが、「スマホの中のデジタル財産」。通帳がないネット銀行や、マイル・電子マネーなど、目に見えない資産の相続について。本記事では相続専門の弓家田良彦税理士に取材し、デジタル遺産で遺族が直面する2つの困りごとの調査方法と、今すぐできる生前対策を分かりやすく解説する。(鈴木豪、ダイヤモンドZAi編集部)
口座の有無さえわからない
スマホ遺産で困る「2つのパターン」
相続の現場において、遺族が対応に苦慮する新たな事例が急増している。それが「スマホの中のデジタル財産」だ。ネット金融機関の普及やキャッシュレス化に伴い、スマホ内に資産が残されるケースが増加した。しかし、目に見えない資産は家族といえども把握しにくく、トラブルに繋がるケースが後を絶たない。残された家族が特に頭を抱えるのは、主に以下の2パターンだ。
困るパターン1
ネット銀行やネット証券の口座、ネット保険の契約の有無さえわからない!
ネット取引が当たり前になった現代、「親が家族に内緒でネット証券で株取引をしていた」「通帳のないネット銀行を使っていた」というケースは珍しくない。「スマホの暗証番号が分からず画面が開けない場合、どのアプリがあるかもわからず、取引があるかどうかを調べるだけでも一苦労です」と弓家田良彦税理士は現場の苦労を明かす。もし手掛かりがない場合、金融機関ごとに以下の制度や方法で調査を進めたい。
● ネット銀行: マイナンバーに紐づいている口座であれば、昨年からは「相続時預貯金口座照会制度」を利用することで、全国の店舗型銀行・ネット銀行を一括照会できるようになった(ゆうちょ銀行、信金や信組も対象)。マイナンバーに紐づけていない場合は、従来どおり郵送物やキャッシュカードを手がかりに、個別に金融機関へ問い合わせが必要。
● ネット証券: 定期的な郵送物(取引報告書、確定申告のための書類など)がない場合、「証券保管振替機構(通称:ほふり)」へ問い合わせを行うと、亡くなった親が口座を開設していた証券会社を一括で確認できる(保有銘柄までの特定はできない)。
● ネット生命保険: 契約はオンラインで行っても、『契約内容のお知らせ』『保険料控除証明書』などが郵送されてくるので、それらをまず探す。ない場合は、生命保険協会が提供する「生命保険契約照会制度」を活用することで、契約の有無を一括で照会可能。